『涼宮ハルヒの消失』という本を読んでみた
谷川流さんという方が書いた、いわゆるライトノベルというやつだ。アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』が、大ヒットした影響で、どこかでタイトルだけでも耳にしたことのある方も多いだろう。
かくゆう私もそうで、数年前からタイトル名だけが何となく耳にのこって、どこか引っかかっていた。で、引っかかったまま2年以上の月日が経ち、もやもやしてきたので、まずはDVD1巻~7巻をチェックした。よく出来ていて面白かった。しかし、どうもまだモヤモヤしているので、とうとう小説に手を出した。
それがシリーズ4作目『涼宮ハルヒの消失』だ。なぜ4作目を読んだのかというと、たまたま本屋ではそれしか売っていなかったからだ。DVD化はされておらず、私にとっては未知のストーリーだった。
で、どうだったかというと、モヤモヤがかなりすっきりした。モヤモヤしていた理由だが、メガヒットしたという割に、DVDを観る限り、それなりに面白いが、あくまでそれなりレベルで、特別視するほどのものとも思えなかったが、しかし、何か妙に糸を引くのだ。
大して好みでも無いはずのに、なぜか目がいってしまう女子のような存在とでもいえば、よいだろうか。
これは何なのかな?と思っていたのだが、小説を読んでひとつわかったことがあった。小説自体は、軽い読み物と、良くできたストーリー構成で、本当にサラッと楽しく読めてしまったのだが、その読後感が、まるで主人公の立場で「本当に自分自身が経験したこと」を読んでいるようだった。
「これ面白いなぁ」と思う物語は、自分自身がその世界の登場人物になりたいと思わせてしまうような世界観を提供してくれる。ではこの『涼宮ハルヒの消失』という本も、自分にとってそうだったのかというと、ちょっと違う。さきほどの繰り返しっぽくなるが、まるで失われた記憶を思い出したような感覚なのだ。
荒唐無稽なストーリーにも関わらず、主人公の経験が、まるで自分の記憶にも眠っていたかのような妙なリアルさがある。物語を読んでこんな経験をしたのは、おそらく初めてだ。
こういうテクニックが小説には存在するのだろうか? 主人公の本名が記されていないことが何か影響しているのだろうか?
スピリチュアル愛好家(?)には、自明のことだと思うが(?)、物語の登場人物というのは、作者が生み出した時点で、この世界にもスピリットとして生み出される。そしてそれが読者や視聴者に伝播して、より確かな存在に育っていく。神社にいけば、神的なスピリットが存在するのと同じだ。
この涼宮ハルヒシリーズの不思議なリアリティは、結果として、かなり強力なスピリットを生み出したのではないだろうか。アニメ化は、その存在をさらに強力に増幅させて、相当に現実社会に影響を及ぼす存在に育ってしまったように思う。
我ながら電波なことを書いているが、八百万(やおよろず)の神々が、また増えたのではないかと、そう思った次第。第3シンボルでコンタクトして、召喚するとどうなるのか、多少興味はあるが、怖いのでやめておく。
天使やマスターならともかく、小説やアニメーションのスピリットを呼び出したことは、まだ無いので、ね。重要登場人物の涼宮ハルヒというのは、現実世界を創造・改変できる力の持ち主という設定だから、ちょっと警戒してしまう。まぁもう既に自分も多くの読者と同じく、少しはコンタクトしてしまっているのだろうけど。
小説といえば、東丈に『幻魔大戦deep』のCD-ROMで去年再会したときは、本当に懐かしかった。高校生のときに読んで以来だ。昔は映画化もされた小説の主人公なのだが、今や自費出版でしかお目にかかれない。
私の人生の約半分ぶりの再会だったわけだが、出てくるのは、ほんの一エピソードといっても良いだろう。東丈自体はずっと出ずっぱりといっても良い状態だったのだが、高校生のときに出会った東丈が出てくるのは、ほんの数十ページほどだ。
あまりの懐かしさに、ぼろぼろ涙が出て止まらなかった。「あぁ生きてくれていたんだ・・」と、まるで死んだ恋人に再会したような、そんな気持ちだった。いや、ような、ではなく、愛していた人や世界に実際に再会したのだろう。
東丈も井沢郁江もずっと放ったらかしで、何とかならんものか、まぁ無理だろうけど、と諦めていたのだが、今はもうそんな風な気持ちは無い。ストーリーに決着がついたのとは異なるが、彼/彼女らが存在し続けていることを確認できたからだ。『幻魔大戦deep』は、私のなかのGENKENの良い鎮魂歌になってくれた。
途中から別の作品の話になってしまった。
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